太田渉子選手とは?
現在、テコンドーの選手として注目を浴びていますが、2015年まではクロスカントリースキーで活躍されていたようですね。
種目 | クロスカントリースキー・バイアスロン |
---|---|
所属 | 日立ソリューションズ |
生年月日 | 1989年7月27日(29歳) |
生誕地 | 山形県尾花沢市 |
先天性左手全指欠損という障害を持って生まれ、小学校3年で地元スポーツ少年団でスキーを始めています。
中学3年生(2004年)のとき初めてクロスカントリー、バイアスロンのワールドカップに参戦しました。
2005年のアメリカ世界選手権ではリレー種目で銅メダルを獲得、同年のW杯イタリア大会でも3位入賞するなど、実績を積み重ます。
そしてついに2006年2月、トリノパラリンピックに日本選手団史上最年少で出場し、バイアスロン12.5km立位で銅メダルを獲得!!
この時期からパラアスリートとしての頭角を現していきます。
2007年は、W杯フィンランド大会のバイアスロン12.5km立位で初優勝。2007年シーズンはバイアスロンでシーズン総合優勝しています。
そして2010年、バンクーバーパラリンピックで2度目の出場となったクロスカントリースキー・クラシカルのスプリントで銀メダルを獲得しました!
その後も、世界選手権やワールドカップでメダルを取り続けますが、
3度目の挑戦となった2014年ソチパラリンピックでは、残念ながらメダル獲得できず、パラリンピック出場後に引退を表明しました。
ソチパランピックでは、日本代表の旗手も務めました。
引退後は会社勤めとなりますが、その中でパラテコンドーと出会い、選手としてパラテコンドーをやっていくことを決意します。
そして、2019年2月に行われた世界選手権で銅メダルを獲得。全日本選手権でも連覇を達成しました。現在、日本女子ただ1人の強化指定選手で、東京出場もほぼ確定しています。
2019年4月30日には、東京パラリンピックでの活躍が期待される選手を特集する
『勇気のシルシ〜パラアスリートの挑戦 テコンドー太田渉子〜』
に取り上げられ注目を集めています。
主な業績
パラリンピック(バイアスロン) | ||
---|---|---|
銅 | 2006 トリノ | 12.5km 立位 |
パラリンピック(クロスカントリースキー) | ||
銀 | 2010 バンクーバー | 12.5km 立位 |
世界選手権(バイアスロン) | ||
銅 | 2009 | 3.6kmパシュート 立位 |
銅 | 2009 | 12.5km個人 立位 |
ワールドカップ(バイアスロン) | ||
金 | 2007 | 総合成績 |
銀 | 2008-09 | 総合成績 |
銅 | 2012-13 | 総合成績 |
ワールドカップ(クロスカントリースキー) | ||
銀 | 2008 | 総合成績 |
銀 | 2011-12 | 総合成績 |
トリノ、バンクーンバーの冬季パラリンピックで銀、銅の2つのメダルを獲得していますが、その他にも多くのメダルを獲得しています。
★2008年シーズン
W杯フィンランド大会のクロスカントリースキー・クラシカルのスプリントで優勝。
ノルウェー大会ではクラシカルのショート、スプリントともに優勝。同シーズンのクロスカントリー総合2位。
★2009-10シーズン
はW杯フランス大会バイアスロンロングで2位。
★2011-12シーズン
W杯のバイアスロンで7度、クロスカントリースキーで6度の表彰台を獲得し、クロスカントリースキーシーズン総合2位
★2012-13シーズン
バイアスロンでアメリカ大会ショートの優勝を含む4度の表彰台、クロスカントリースキーでは3度の表彰台を獲得し、バイアスロンでシーズン総合3位
★2013-2014シーズン
ワールドカップ第1戦カナダ大会でクロスカントリースキー ミドル クラシカル 5kmとスプリント クラシカル 1.25kmで2位。
フィンランド留学
2006年9月から2010年のバンクーバーパラリンピックが終了するまでの間、スキーと語学取得のためフィンランドのソトカモ高校に留学しています。
ソトカモ高校(Sotkamon Lukio)は、日本で言うと高校野球のPLや横浜高校といった感じだとのことで、野球をはじめ、クロスカントリースキーやスノーボードなどのスポーツクラスがあり、フィンランド中から生徒が集まってくるのだそうです。
ソトカモ高校の修了式。日本の卒業式とは違い大人っぽい雰囲気の式典ですね。(太田渉子選手自体も20歳ですし)
夏パラリンピック、テコンドーでの出場について
日立ソリューションズで会社に勤め、パラスポーツの普及活動に携わる中でテコンドーと出会いましたが、そのきっかけがなんとも面白いのです。
テコンドーが東京大会の新競技に決まった2015年。ある練習会を見学した際、指導していたシドニー五輪銅メダリストの岡本依子さんが周囲に「太田さんは東京パラリンピックで金メダルを取る人」と紹介され、驚き、冷や汗をかいたのがきっかけだったそうです。
そんなきっかけだったため、最初は趣味での月1,2回程度の道場通いのみ。2016年にはアジア選手権に出場しますが、17年は出場せず。
心が動いたのは2018年1月の全日本出場を決めた時でした。優勝すれば強化指定選手に選出される大会で
「強化選手になれば生活スタイルも変わるし責任も負います。ただ、自国でのパラリンピックで自分に何ができるかを考えました」
と東京パラリンピック出場の意向を表明しました。
「日本人が勝つ。日本人に強い選手がいれば応援に行きたいと思ってくれる人がたくさんいると思うので、まず、自分が強くなって、テコンドーを知ってもらって、会場を満員にしたいな、と」。
東京を目標に定めて約1年でどんどんレベルをあげているのです。2019年2月、初出場の世界選手権(トルコ)で銅メダルを獲得。しかも準々決勝では世界ランキング1位の英国選手を延長戦の末に破っています。
2018年にはソフトバンクに転職し、現在は代表合宿にも参加。女子ではただ1人の強化指定選手で、開催国枠からも東京大会出場はほぼ確定しています。
今後の活躍に期待!
橋本聖子さん(スケート⇒自転車)や平野歩夢さん(スノボ⇒スケボー)のように、競技種目をひとつに絞らず活躍する(活躍が期待される)人がいます。基礎体力や元々やっていた競技で必要とされる能力がうまく生かされるのだと思いますが、それにしてもかっこいいなと思います。
太田渉子選手の東京パラリンピックに対するアツい気持ちを応援したいですね。